「家族と地域における子育てに関する意識調査」結果の概要
内閣府では、平成25年度の「家族と地域の子育て調査」発表した、
調査の概要は以下である。
I 調査の概要
1 、調査目的 我が国は、社会経済の根幹を揺るがしかねない「少子化危機」ともいうべき状況に直面している。近年、合計特殊出生率は 1.41 と微増ではあるが、先進国の中でも低い水準であり、このまま上昇傾向が続くかどうかも不透明である。
多くの若者が、将来家庭を持つことを望み、希望する子どもの数は平均 2 人以上となっているものの、晩婚化が進むとともに生涯未婚率が上昇しており、国民の希望を叶えることが出来ていないのが現状である。
こうした国民の希望を叶える観点から、家族形成について当事者である若者のみならず、国民の意識を調査し、その阻害要因や要望を分析する。
また、子育てをするにあたっては、社会全体で子育て家庭を応援すべく、子どもを生み育てやすい環境づくりを、地域が一体となって進めていく必要がある。地域においては、子育て支援活動の重要性や参加意識などを調査把握することも重要である。
本調査研究では、調査結果を広く公表することにより、生命を次代に伝え育んでいく家族の大切さや、子育て世代を地域全体で支えていくことが重要であることの国民意識醸成
をはかるとともに、今後の施策立案に寄与することを目的とする。
2 調査項目 (1)結婚・家族形成についての意識
(2)家庭における出産や子育てについての意識
(3)地域での子育て支援環境づくりについての意識
3 調査対象 (1)母集団 全国 20 歳~79 歳の男女
(2)標本数 3,000 人
(3)抽出法 層化二段無作為抽出法
4 調査時期 平成 25 年 10 月 4 日(金)~11 月 4 日(月)
5 調査方法 回答の選択肢を列記した「回答票」(カード)を用い、調査員による個別面接聴取を行っ
た。
本調査は、企画分析委員会(委員長:中京大学現代社会学部教授 松田茂樹)を設置し、企画及び分析などの協力を得たものである。
以下、要点のみを編集した。
■家族の役割として重要なこと
家族の役割として重要だと思うものとしては「生活面でお互いに協力し助 け合う」が 51.0%で最も多く、以下「夫または妻との愛情をはぐくむ」(38.4%)、
「子どもを生み、育てる」(36.0%)、「経済的に支えあう」(33.9%)、「喜びや苦労を分かち合う」(33.5%)の順となっている。 性別にみると、男女とも「生活面でお互いに協力し助け合う」(男性49.8%、女性 52.0%)が 5 割前後で最も多い。 男性では、「経済的に支えあう」(同 41.4%、27.9%)は、女性より 10 ポイント以上 高く、「夫または妻との愛情をはぐくむ」(同 42.2%、35.4%)、「家を存続させる」(同 18.1%、9.8%)も、男性の方が高い。 一方、女性では、「喜びや苦労を分かち合う」(同 26.6%、39.0%)が男性より 10 ポイント以上高く、また「子どもを生み、育てる」(同32.6%、38.6%)、「休息や心の安らぎを得る」(同18.4%、24.2%)、「自分らしさや存在を認めてもらえる」(同6.9%、12.1%)が男性より多い。
■参考:平成 19 年調査
平成 19 年 1 月に実施した「少子化対策と家族・地域のきずなに関する意識調査」の 結果をみると(図表 4)、「生活面でお互いに協力し助け合う」は、当時は 55.8%で最も多く、今回調査も 51.0%と最も多い。 また、「夫または妻との愛情をはぐくむ」(19 年 28.1%、25 年 38.4%)、「子どもを 生み、育てる」(同24.7%、36.0%)、「経済的に支えあう」(同26.4%、33.9%)は、
いずれも前回調査では 2 割台であったのが、今回調査ではそれぞれ 10 ポイント前後高くなり、上位にあげられている。
■理想の家族の住まい方
理想の家族の住まい方を聞いたところ「親と子どもの世帯で、祖父母とは 離れて住む」という回答者が 21.7%で最も多く、次いで、「夫婦のみの二人暮らし」が 18.6%。 『祖父母と近居』(31.8%)と『祖父母と同居』(20.6%)を理想と考えている人をあ わせると 5 割強である。『祖父母と近居』という回答の方が『祖父母と同居』よりも11 ポイント多い。 性別にみると、『祖父母と近居』については、「父方の祖父母」(男性 21.2%、女性 14.3%)は男性の方が多く、「母方の祖父母」(同9.3%、18.7%)は女性に多くあげ
られている。男女とも自身の親との近居を理想とする傾向がみられる。