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教育調査・分析

記事 2011年

朝食が子どもの意欲や気分にも影響??

内閣府はこのほど平成21年版「食育白書」をまとめました。政府の施策の推進状況などをまとめたものですが、食育に関する基本的な内容やデータが網羅されています。白書を読むと、子どもの健全な成長には、家庭や学校における食育が欠かせない、ということが、改めてわかります。

政府は2005(平成17)年に食育基本法を制定し、2006(同18)年には食育推進基本計画を策定して、9項目について、2010(同22)年度までの5年間で達成すべき数値目標を定めています。このうち「朝食を欠食する国民の割合」を見ると、朝食を食べない子どもの割合は、計画策定時4.1%だったものが、現状(2009<平成21>年5月)では1.6%と、着実に減っています。政府の計画では、これを2010(平成22)年度には0%にすることになっています。

朝食を毎日食べている子どもと、まったく食べない子どもで、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の平均正答率を比較すると、2008(平成20)年度の小学校国語Aの場合、毎日食べている子どもは67.2%だったのに対して、まったく食べない子どもは46.8%でした。全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)の体力合計点を見ても、小学生男子の場合、毎日食べる子どもは54.4点だったのに対して、まったく食べない子どもは50.8点となっています。朝食をきちんと食べるかどうかは、学力と体力にも大きく関係しているようです。

白書によると、「何もやる気がおこらない」ということがしばしばある、と回答した子どもの割合は、朝食を毎日食べる子どもでは8.5%だったのに対して、ほとんど食べない子どもは32.3%でした。さらに、「イライラする」ということがしばしばあると回答した子どもの割合を見ると、朝食を毎日食べる子どもは11.9%だったのに対して、ほとんど食べない子どもは33.2%となっています。食生活は子どもの精神面にも大きな影響を及ぼしているのです。

朝食を食べない子どもの割合が減少したのは、このような食育の重要性が家庭にも浸透しつつあるからだと思われます。ただ、子どもに朝食を毎日食べさせるだけでよい、というものでもないでしょう。毎日、きちんと朝食を食べるということは、基本的生活習慣が身に付いていることの表れのひとつにすぎません。白書は「『よく体を動かし、よく食べ、よく眠る』という成長期の子どもにとって当たり前で必要不可欠である基本的な生活習慣が大きく乱れている」と指摘しています。

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